旧暦の7月から1ヶ月間 (2024年は8月4日〜9月2日) 、シンガポールは「ハングリー・ゴースト・フェスティバル」というお盆の季節。
今回は、シンガポールのお盆の様子についてご紹介します。
ハングリー・ゴースト・フェスティバルって?
この時期に、街中を歩いていると目に付くのが、店の前や歩道脇に供えられたお供えもの。
シンガポールに来て間もない頃は、「なぜお供えものが道に?」と疑問に思っていました。
のちに知ったその理由は、日本のお盆と似た行事である「ハングリー・ゴースト・フェスティバル」のため。
日本のお盆は、先祖を供養する行事ですが、シンガポールでは祖先以外の霊も含めて供養します。
ハングリー・ゴーストという名前は、その名の通り、「お腹を空かせている亡霊」という意味。
供養されずに寂しい思いをしている亡霊が、悪さをしないために、街のいたるところで様々なものをお供えものします。
昔ながらの雰囲気を残す地区として知られている、Tiong Bahru (チョンバル) エリアを歩いていると、何かを燃やしている匂いが。
ドラム缶が道の脇に置かれ、中から煙が出ています。
お線香を道に刺したり、お札やお金を模した紙を燃やしたりする様子もみられ、日本の送り火を思い出しました。
スーパーには、お供えものとして燃やすための、お金のセットが売っています。
お金に書いてある文字をよく見ると、「the hell bank corporation (地獄銀行) 」と書いてありました。
the hellって地獄?とびっくりしましたが、ハングリー・ゴーストの初日に、地獄の門が開き、死者の霊が地上に戻ってくると考えられていることに由来するそうです。
期間中にやってはいけないこと
ハングリー・ゴースト期間中に、控えておいた方が良いといわれていることがいくつかあります。
夜遅くまでの外出、引っ越し、結婚、水場に近づかないなど色々ありますが、私が一番気をつけなければと思ったのは、お供えものを踏んだり跨いだりしないということ。
ハングリー・ゴーストを怒らせないためにも、この時期シンガポールにお越しになる方は、道のお供えものに注意してくださいね。