多くの観光客で賑わうアユタヤは、世界遺産にも登録された重要な遺跡が残る街です。日本で言うと『京都』のような古都なので、タイの歴史を肌で感じることができるでしょう。アユタヤへのアクセス方法や、見ておきたい遺跡をピックアップして紹介します。
古のタイに触れたくなったら、バンコクから少し足を伸ばして『アユタヤ』に向かいましょう。 近代化されたバンコクとはひと味違った、古のタイの魅力を感じることができます。アユタヤとはアユタヤは、チャオプラヤー川とその支流に囲まれた『アユタヤ王朝』の古都です。 王朝が栄えた14~18世紀までのおよそ400年間、アジアとヨーロッパ地域を結ぶ国際貿易都市として栄えました。街にはアユタヤ王朝時代の遺跡や遺物が数多く残っており、当時の繁栄ぶりを今に伝えています。 特に、遺跡が集中しているアユタヤ中心部は『アユタヤ歴史公園』として整備され、多くの観光客が集う人気スポットとなっています。その価値の高さから、1991年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。
アユタヤは、タイの首都・バンコクから北へ80kmほど上ったところにあり、日帰りでも十分に観光できます。
ただし、効率良く回るには、アクセス手段や観光日数、予算などは観光前に決めておいたほうがよいでしょう。
バンコクからの行き方 バンコクからアユタヤへ向かう方法は、電車・バス・タクシーが一般的です。どれを選択したとしても、アユタヤまでは1時間30分~2時間程度かかると考えましょう。
電車は、タイ国鉄の『フアランポーン駅』から始発電車が出ています。1日に30本以上と運行本数は多いですが、電車の種類によって到着時間や運賃が異なるので注意が必要です。
バスを使う場合は、『ロットゥー』と呼ばれる乗り合いミニバスがあります。満員になれば出発するしくみですが、通常、そう待たされることはありません。
タクシーはドアトゥドアで安心な交通手段ですが、他の交通手段と比較すると割高になることは承知しておきましょう。
アユタヤ観光にかかる日数や予算の目安アユタヤ遺跡群は東西に7km、南北に4kmほどの範囲に集中しており、遺跡観光だけなら1日あれば十分です。 ただし、ショッピングやアクティビティを楽しみたいのなら、2日あるとよいでしょう。
アユタヤでの服装タイは熱帯性気候で蒸し暑く、雨季・乾季・暑季の三つの季節しかありません。 年間平均気温は30℃近いため、どの時期に訪れるにせよ、『日本の夏』を想定して備えるとよいでしょう。 また、遺跡観光する場合は、歩きやすい靴・動きやすい服装が必要となります。帽子やサングラスも準備し、通気性のよい衣類がベターです。 加えて、仏を深く敬うタイでは、ミニスカートやノースリーブなどの、体のラインが出すぎる服装での拝観はNGです。 遺跡前のチケット売り場では服装チェックもあるため、TPOにあった服装を心がけましょう。
アユタヤは18世紀にビルマの侵攻を受けて滅びるまで、華やかな国際貿易都市として栄えました。今も残る荘厳な寺院や仏塔の遺跡を巡ることで、当時のアユタヤの権勢がうかがえるでしょう。 数あるアユタヤ遺跡群の中から、ぜひ行っておきたい五つの遺跡を紹介します。ワット・ラーチャブラナアンコールワットと同じ『クメール様式』の大仏塔を持つのが『ワット・ラーチャブラナ』です。 この寺院は王位継承争いによって亡くなった2人の王子の慰霊として、1424年に建てられました。ただし、「訪れた最初の王は死ぬ」と噂されていたため、ここを訪れたアユタヤ王はいなかったそうです。 今も比較的訪れる人の少ない遺跡ですが、地下の聖堂にはクメール様式・スコータイ様式の仏像や、15世紀に描かれたフレスコ画など、芸術的価値の高い美術品が見られます。 1957年の発掘調査では下層階から宝物類が見つかり、『アユタヤの宝』として『チャオ・サン・プラヤー国立博物館』に展示されました。
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施設名:ワット・ラーチャブラナ(Wat Ratchaburana)
住所: T. Tha Wasukri (Head Corner of Nareisuan and chikun Rd.) Phra Nakhon Si Ayutthaya
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ワット・ヤイ・チャイ・モンコン数あるアユタヤ遺跡群の中でも、観光の目玉と言われるのが『ワット・ヤイ・チャイ・モンコン』です。 これはアユタヤ王朝を開いたウートン王が1357年に建立した寺院で、当時はスリランカから帰国した修行僧の瞑想の場として使われていました。 ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの特徴は、高くそびえるスリランカ様式の仏塔です。 ビルマ軍との戦いに勝利したことを記念して16世紀に建てられた仏塔は72mもあり、上部からはアユタヤの街を一望できます。
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施設名:ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkon)
住所: Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya
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ワット・マハタート『ワット・マハタート』は、14世紀後半に建てられた寺院です。かつては礼拝堂、仏堂を配置し、黄金を配した仏塔があったと言われていますが、ビルマ軍の侵攻により全て失われてしまいました。 現在残っているのは崩れ落ちた壁や礼拝堂の土台、首の無い仏像群などのみです。 廃墟となったワット・マハタートですが、観光客の注目を集めるのは、根元に仏像の頭部を抱えた大きな菩提樹です。 これはビルマ軍によって切り落とされた仏像の頭部が菩提樹に飲み込まれたもので、栄枯盛衰を見せるワット・マハタートのシンボル的存在となりました。 写真を撮る際は失礼の無いよう、仏像よりも頭を低くする姿勢を取りましょう。
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施設名:ワット・マハタート(Wat Mahathat)
住所: Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya
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ワット・プラ・シーサンペット1448年に建立された『ワット・プラ・シーサンペット』は、かつてアユタヤ王室の守護寺院として重要な仏教儀式が行われていた場所です。現在のバンコク王朝の『エメラルド寺院』のようなものと考えればわかりやすいでしょうか。 そびえる3基の仏塔はスリランカ様式で建てられたもので、内部にはトライローカナート王と王子の遺骨が納められていました。 また、仏塔東側の本堂には高さ16m、重さ171kgの、純金の仏像が配置されていましたが、ビルマ軍によって徹底的に破壊され、今は柱しか残っていません。
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施設名:ワット・プラ・シーサンペット(Wat Pra Srisanpet)
住所: Amphur Muang, Ayutthaya 13000
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ワット・プラ・ラーム『ワット・プラ・ラーム』はトウモロコシ型の大仏塔が目印の、アユタヤ王朝初代王・ウートン王の菩提寺です。 寺院のシンボルとされる大仏塔は、クメール様式で建てられています。この仏塔を中心にかつては40基もの小仏塔がありましたが、戦争時に破壊され、現在はわずかな名残をとどめるのみです。 朽ちかけた壁がもの悲しい雰囲気を漂わせますが、夜のライトアップ時には格別の赴きがあります。
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施設名:ワット・プラ・ラーム(Wat Phra Ram)
住所: Amphur Muang, Ayutthaya 13000
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ワット・プラ・ガームワットナプラメルから3 kmに位置するこの『ワット・プラ・ガーム』は、現在では基台のみ残りますが、木で覆われた、ユニークな扉が写真映えすることで、アユタヤ観光の組み込む旅行者が増えてきました。入場料無料で24時間観光可能です。
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施設名:ワット・プラ・ガーム(Wat Phra Ngam)
住所: Amphur Muang, Ayutthaya 13000
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アユタヤを効率的に回りたいなら、現地ツアーを利用するのもよいでしょう。 バンコク発のものが多いため、アユタヤへのアクセスにあれこれと悩む必要はありません。 アユタヤ観光にツアーを利用する際のポイントを紹介します。
★日本語対応のツアーを選ぼう★
アユタヤを観光するなら、高くても『日本語対応可』のツアーがベターです。遺跡や歴史に詳しいガイドがついてくれるツアーなら、アユタヤ遺跡の魅力をより深く知ることができるでしょう。 加えて、何かトラブルが起こったときも、日本語で相談できる方が安心です。勝手がわからない国だからこそ、『言葉がわかる』ことは重要なのです。 近年は日本からタイへの直行便が増えており、日本人向けツアーも充実しています。 象乗り体験やランチなど『遺跡散策+アルファ』のツアーが見つかるので、好みのものを選びましょう。