みなさんはバリ島に来たとき、洗濯物はどうしていますか?
洗濯に出す人もいれば、自分で手洗いする人もいると思います。
私はバリ島に移住した当初、ホテルに住んでいて、自分で手洗いしていました。
部屋が2階だったので、バルコニーに干していたのですが、ある日ホテルオーナーのバリ人に、「上に洗濯物を干さないで!」と注意されたことがあります。
ホテルのバルコニーには、腰くらいの高さの物干しラックがあり、そこに干すことができます。
しかし、ズボンやロングワンピースを干すと、すぐにスペースが足りなくなってしまうのです。
そのため私は、バルコニーの柱と柱の間に紐を結び、そこに干すことに。
「これでワンピースもズボンもスッキリ干せるし、たくさん干せて万事解決♪」と思っていたら、下にいたオーナーが、私に向かって何か叫んでいます。
よく聞くと、「上に干さないで〜!」とのこと。
「 なんで???」となった私は、下に降りてくわしく話を聞きました。
バリ人の建物の敷地内には、 Sanggah (サンガ) という、先祖や神様をまつった祠があります。
オーナーによれば、人目につく場所で祠より高い位置に洗濯物を干すのはNGで、「ズボンなど下半身の衣類は、下の方に干してね。」とのことでした。
バリ・ヒンドゥー教では、すでに着た服は、洗ったとしても「不浄」とされ 、祠など神聖なものより上に干すのは失礼とされています。
また、頭は神聖な部位、下半身は不浄 とされていて、この考え方は洗濯物の干し方にも反映されているのです。
物干しラックは、写真のもののような頭より低いものを使い、そのなかでも上半身の衣類は上段、下半身の衣類は下段に干します 。
ただ、これは信心深さに比例するようです。
私の友人Aの旦那さんは、毎日欠かさずお祈りするほど信心深く、洗濯物を干す順序も徹底しています。
上下の服を一緒に洗うのも嫌がるほどで、飛行機の座席上にある棚の荷物に、下着が入っているのも抵抗があるとか。
一方、そこまで信心深くない友人Bの旦那は、洗濯物を頭より上に干さない程度で、上下を一緒に洗ったり干したりするそう。
こういった宗教的タブーは、観光客はなかなか気づきにくいもの。
でも、知らずにタブーをやぶってしまうと、現地の人に不快な思いをさせることもあるので、配慮したいポイントです。
とくに2階以上のバルコニーで洗濯物を干すときは、手すりなどの人目につく場所はさけ、備え付けの低い物干しラックを使うようにしましょう!