タイでは現在5つの文化遺産・自然遺産が登録されています。文化遺産は「スコータイとその周辺の歴史的都市群」「アユタヤ」そして「バンチェン遺跡」、自然遺産は「トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区」と「ドンパヤーイェン-カオヤイ森林地帯」です。名前を聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、是非一度は訪れていただきたい場所ばかりです。それぞれを詳しく紹介いたします!
バンコクから北へ約80kmに位置するアユタヤは、1351年から約420年にわたり、アユタヤ王朝の首都として栄えた歴史的な町です。チャオプラヤー川の水路を活用し、ヨーロッパと東南アジアを結ぶ重要な交易拠点として発展しました。アユタヤは、3つの川を用いて周囲に濠を巡らせ、島のような城壁都市を築き上げた特徴的な都市計画で知られています。島の中心にはワット・プラ・シーサンペットという王宮寺院や、巨木の根がからみつく仏像で有名なワット・マハータートなどがあり、これらの遺跡は歴史公園として整備されています。公園内には多くの見どころがあり、象に乗って公園内を巡るエレファント・ライディングも人気のアクティビティです。島外にも数々の寺院遺跡が点在しており、かつての外国人居留地や日本人町の痕跡も見ることができます。アユタヤ朝がビルマによって滅ぼされた際、多くの遺構が破壊されましたが、今でもその歴史的な足跡を追うことができます。
<アユタヤへの行き方>
バス…北ターミナルから1時間半~2時間程度
電車…バンコク・クルンテープ駅から1時間半~2時間程度
バンコクから北東へ約560km、ラオスとの国境に近い町、ウドーン・ターニーは、タイ東北部の中心的な町の一つです。この地域からは多くの先史時代の遺跡が発掘されており、その中でも特に注目されるのが紀元前2500~2000年に遡ると言われるバンチェン遺跡です。この遺跡は先史時代の墳墓遺跡であり、東南アジア地域の高度な技術と文明を象徴するものとして知られています。遺跡からは当時の農耕の痕跡や高度な製陶技術がうかがえる土器、青銅器などが発掘されており、これらの発見が1992年に世界文化遺産に登録されました。バンチェン遺跡はウドーン・ターニーから東へ約45kmに位置しており、埋葬された人骨とともに大量の素焼き土器が出土しています。これらの土器には独特の彩色と文様が施されており、その伝統は今も受け継がれています。
<バンチェン遺跡への行き方>
スワンナプーム国際空港からウドーンターニー行きの飛行機が1日に複数便出ております(タイ国際航空やバンコクエアウェイズなど)。ウドーン・ターニーからは車で約1時間ほどでバンチェン遺跡に到着します。バンチェン遺跡へ行く際には、空港から車をチャーターすることをおすすめします。
バンコクの北西約350kmに位置する広大な自然保護区は、総面積が6225平方kmに及びます。この地域はインドシナ半島において最大の原生林が残されており、「タイ最大で最後の原生林」と称されています。ここは類まれなる生物多様性が保たれており、多くの絶滅危惧種が存続していることでも有名です。この自然保護区はカンチャナブリーの郊外に位置しているため、カンチャナブリーからアクセスするのが便利です。ただし、個人でのアクセスはかなり難しいため、できれば現地発のツアーなどを利用することをおすすめします。
<トゥンヤイ・ファイ・カ・ケン野生生物保護区への行き方>
バンコクから車で約5時間ほどの距離にあります。個人での訪問は困難な場合がありますので、バンコクから出発するツアーなどを活用することがおすすめです。
バンコクから約205km北東に位置する東北タイのコラート高原には、世界自然遺産に指定された国立公園群が広がっています。この広大な森林地帯は、カオヤイ国立公園を含むカオヤイ国立公園、タップラーン国立公園、バーンシーダー国立公園、タープラヤー国立公園、さらにはドンヤイ野生生物保護区などが含まれており、その範囲はカンボジア国境近くまで広がっています。この地域には800種以上の生物が生息しており、その中には絶滅の危機に瀕した種も含まれています。
特にカオヤイ国立公園は、訪れる人々が自然を満喫できるようにリゾートホテルや遊歩道が整備されており、その魅力を存分に味わうことができます。
<ドンパヤーイェン-カオヤイ森林地帯への行き方>
バンコクから車で約2時間半の距離にあります。個人での訪問の際には、バンコクから車をチャーターすることをお勧めします。また、バンコク発のカオヤイ国立公園ツアーや他のツアーも利用する手段として便利です。