“サロンケバヤ”をご存知ですか?
シンガポール航空(SQ)のキャビンアテンダントが着用する制服というと思い浮かべる人も多いと思います。
SQの女性客室乗務員が着用する、優雅なシルエットの、とても印象的な制服“サロンケバヤ”。
シンガポールの伝統と文化を感じるデザインと色使い、そのスタイルは、シンガポール航空だけでなく、シンガポールの代名詞ともいえそうです。
エキゾチックなについてJTB現地スタッフがご紹介します。
シンガポールの伝統と文化が凝縮“サロンケバヤ”
シンガポール航空の女性客室乗務員の制服サロンケバヤは、
今から50年程前にフランス人デザイナー、ピエール・バルマンが手がけたもの。
プラナカンの伝統工芸に着想を得たとされ、生地はバティック染(アジア伝統の染織)を使用しています。
以来、シンガポール航空(その前身であるマレーシア・シンガポール航空)の制服として、
ほぼそのデザインは変わることなく現在まで受け継がれています。
伝統的なケバヤ(クバヤ)の襟を失くして、胸元を開けて、袖を少し短くした制服は、
とても機能的に見え、さらに伝統が息づくもの。
日本やシンガポールなどの空港でサロンケバヤを着た客室乗務員が数人で歩いている姿は、
一瞬にして目を惹きつけます。
ケバヤ(クバヤ)は、繊細な刺繍が施された女性の上衣のことで、サロンとは腰衣(スカート)の意味。
ケバヤは、ポルトガルからインドネシアへ伝えられたデザインに由来しているそう。
伝統的なケバヤには襟があり、胸元がV字に少し開いています。
モチーフには、牡丹やバラ、蘭といった植物、蝶や鳳凰などがよく使われ、
プラナカンらしいとても目を惹くエキゾチックな文様になっています。
19世紀半ばになると、裕福な人々の間で優雅なレースが施された白いレースのケバヤとバティック染のサロンが人気を集めました。
シンガポールのプラナカン博物館には当時の衣装が展示されており、プラナカンの美意識が見て取れます。
プラナカンとは、一般的に、その昔シンガポールを含むマレー半島に渡ってきた中国系の人々の子孫と、
半島に暮らしていたマレー系の人々の間に生まれた子孫を指します。
こうした中国系の人々は、欧米との貿易などで富を得るとともにオランダやイギリスといった西洋、
中国の文化を融合させ、育んできた独自の文化的特徴を持っています。
その世界観が凝縮された代表例には、ビーズ刺繍や伝統衣装のケバヤ(クバヤ)などが挙げられます。
女子好みの民族衣装でフォトセッション
そんな憧れのサロンケバヤを一度は着てみたいと思いませんか?
JTBが提供するオプショナルのひとつに、『変身フォト体験』があります。
写真スタジオでプロがヘアメイクを担当、伝統衣装のサロンケバヤを着てプロのカメラマンによる撮影。
ポージングして、いくつかのパターンの写真を撮影します。
その後、ご自身で現像用の画像(シングルショット)を2枚(10×15cm)選択していただけます。
民族衣装にあったアクセサリーをプナカンのショップで買ってから撮影に臨むのもいいかもしれません。
もちろん、多民族国家シンガポールですので、インドの民族衣装でもあるサリーや
マレーシアの民族衣装など選択肢のいろいろ。伝統衣装サリーはインドの女性にとって基本スタイル。
週末にリトルインディア界隈を歩いていると、煌びやかなサリーを着た女性らが歩いている姿にうっとりする人も少なくありません。