日本では「中秋の名月」や「十五夜」として知られる「中秋節」。
毎年旧暦の10月15日が中秋節にあたり、台湾では春節(旧正月)や端午節(端午の節句)と並んで重要な節句となっています。
中華圏の中秋節の伝統的な楽しみ方は、月餅を食べたり、柑橘類のブンタンを食べたり、月を見たりすること。
ですが台湾では独特の習慣として、家族や友人で集まって焼肉やバーベキューを楽しむ文化があります。
今回はその由来や様子をご紹介します。
中秋節に焼肉を食べることになった由来
なぜ、台湾でのみ中秋節に焼肉を食べる習慣があるのでしょうか。
由来は諸説ありますが、1970~80年代に放映された焼肉のタレのテレビCMがきっかけという説を信じている人が多いです。
現代の台湾では「中秋節=焼肉・バーベキュー」という考え方は、かなり一般的になっています。
ベジタリアンの人たちですら、肉を使わないバーベキューを楽しむほどです。
スーパーに並ぶ焼肉・バーベキュー用品
中秋節が近づくと、スーパーや日用品店には、焼肉のタレや木炭、紙皿といった、バーベキューに欠かせないグッズが並びます。

自宅近くのスーパーにも、このように特設コーナーができていました。
実際に台湾人のバーベキューに参加してみた
私も今年の中秋節は、台湾人の友人に誘われてバーベキューに参加しました。

この日参加したのは、家の軒先で楽しむスタイルです。
台北市内を始めとする住宅密集地では、このような光景はあまり見かけませんが、一部の公園ではバーベキューが許可されています。
焼肉店もこの時期はかき入れ時だそうです。

バーベキューなのでお肉はマストですが、台湾ならではの食材もあります。
その一つが食パン!
そのまま食べてもよし、食材を挟んでもよし。
何の変哲もない食パンですが、バーベキューで食べるととてもおいしく感じるから不思議です。

こちらも日本ではなかなか見かけない食材ですね。
茭白筍 (ジャオバイスン) 、日本語では「マコモダケ」というイネ科の植物で、皮をむいて食べます。

タケノコに似た味わいで、クセになります。
皆さんも、中秋節の時期に台湾に来たら、バーベキューをしている人たちがいないか探してみてはいかがでしょうか。
思わぬ発見があるかもしれません。
