2016年10月13日に、前国王รัชกาลที่ ๙ (ラッチャカーン・ティー・カオ/ラーマ9世) が崩御されてから、9年が経とうとしています。
前国王を偲んで、タイでは毎年この日が、วันนวมินทรมหาราช (ワン・ナワミンマハーラート/ラーマ9世記念日) として祝日になっているのです。
崩御された当時、国全体が深い悲しみに包まれ、サッカーをはじめとする各代表チームも黒いユニフォームを着用し、哀悼の意を表しました。
タイ国民が敬愛するラーマ9世
ラーマ9世は、在位70年を超え、長きにわたり国を導きました。
地方をくまなく訪れ、人々の生活向上のために数多くのプロジェクトを推進したことから、農村部から都市部まで幅広い層に深く敬愛されています。
街のいたるところで見かける肖像画や記念碑からも、その存在がどれほど人々の心に刻まれているかを、感じ取ることができるでしょう。
黄色の服でひとつになる国民
タイには曜日ごとのシンボルカラーがあり、ラーマ9世が生まれた月曜日の色は黄色。
記念日が近づくと、街中では黄色い王室の旗や、黄色のシャツを身にまとった人々を多く見かけます。
通勤途中のオフィス街でも、屋台の食堂でも、黄色の服が自然と人々をつなげているように感じられるのです。
まさに、国全体が「ひとつの想い」で包まれる瞬間といえるでしょう。
記念日の過ごし方
記念日当日には、公園や寺院などでの追悼行事や、ローソクを手にした祈りが全国で行われます。
私も、去年の10月13日はお寺へ行き、ラーマ9世に想いを馳せつつ、当時のことを思い出していました。
また、家庭ではテレビやラジオで流れる特別番組を、家族で見ながら過ごす人も少なくありません。
10月は記念日当日だけでなく、街のあちこちに掲げられるラーマ9世の写真や、黄色の旗を目にする機会も多く、改めてその存在の大きさを感じる季節です。
寺院などを訪れて静かに手を合わせれば、タイの人々とともにその思いを分かち合えるでしょう。
そして、国民に寄り添い続けたラーマ9世への敬意を、より身近に感じられるはずです。