ホーチミンといえば、「暑さと活気があふれる街」というイメージがあるかもしれません。
でも、そんな街中にも、ふと立ち止まりたくなるような、静かな時間が流れる場所があります。
まるで時が止まったような空間
今回紹介するのは、ホーチミンの中心部にあり、1965年創業の老舗甘味処「Hiển Khánh (ヒエンカイン) 」。
店内には、昔ながらの家具や年季の入った扇風機が並び、まるで70年代のベトナムにタイムスリップしたような空間。
多彩なチェーと伝統菓子に癒される
Chè (チェー) は、緑豆や蓮の実、寒天などをシロップで仕上げた、ベトナムの伝統的な冷たいデザート。
やさしい甘さと涼やかな口あたりで、暑い日にぴったりの1品です。
Hiển Khánhでは、さまざまなChèが楽しめます。
メニューの多くは、1品 10,000〜33,000 VND (約60〜200円) 程度。
看板メニューの「chè đậu xanh đánh (チェー・ダウサイン・ダン/ふんわりと泡立てた緑豆) 」は、20,000 VND (約120円) です。
1番人気は、chè đậu xanh đánhと、thạch trắng (タック・チャン / 白いゼリー) の組み合わせ。
ほかにも、蓮の実、蓮根、ナツメ、ハトムギ、細切りにしたキクラゲ、クワイなどを使ったChèがあり、見た目も味もバリエーション豊富。
ほんのり香る、ジャスミン風味のシロップが爽やかさを添えていますよ。
さらに、北部の伝統菓子もいくつか販売。どれも、Chèと一緒に楽しめる素朴な味わいです。
懐かしさがしみる思い出の味
Hiển Khánhには、3世代で通っているという家族も少なくありません。
どの世代にも「思い出の味」があり、店内ではなつかしい話に花が咲くこともしばしば。
Chèをすすりながら、地元の人たちの何気ない日常に触れてみる。
そんな時間が、旅のなかで心に残るひとときになるかもしれません。
【1VND (ベトナムドン) = 約0.006円 2025年7月現在】